迷い猫 - 私がイギリスを好きな訳(その1)

我家に欠かせないメンバー  一人と一匹。

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「パンダ」は、去年の8月、生後7週間の時に我家にやってきました。



古い友人を訪ねて、娘のハーフターム(イギリスでは学期のド真ん中に、1週間もしくは2週間の中休みがあります)の時にポルトガルに行った時のことです。

当時まだ3カ月だったパンダを友人達にお願いし旅立ったわけですが、5日後に戻って時にはいなくなってしまっていたんです。
2日間は、望みも捨てずお隣さんに聞いたりして待っていたけれど、帰ってくる様子なし。
もう見つからないのかな、と落ち込んでいた時に、ご近所さんで私が一番信頼しているKさんが「迷い猫のビラを作ろう!」と言いだしてくれたんです。

旦那はまったく非協力。理由は、
「イタリアでこんな事したってみつかりっこない。」

確か金曜日だったかな。まだお休みで家にいた私と娘はドラフトを作り、日中会社にいるKさんと電話とメールで連絡。Kさんの同僚の方がキレイにフィニッシングもしてくれて(そして私の英語も直してくれて)、彼女は会社の帰りに150部のカラーコーピーを持って我家に来てくれました。
それから娘と私はそのビラを我家の通りに配り始めました。

イギリスでは郵便受けが日本のように外にある家が少なく、家の玄関のドアから郵便を入れられるようになっています。
もちろん、夜一件一件 ドアをノックして「迷い猫 知りませんか」のビラを渡すわけにはいかず、そ~っとこの郵便入れから差し込んでいくわけです。
「どうしよう、誰か出てきたらなんて言えばいいかな」なんて余計な心配をしていた私に気付いた娘は、
「マミー、早くしてよ。この通りを終えたら次にいくからねっ。」
「恥ずかしいなら、私にかして。私が入れてくるからいいわよっ!」
とドンドン入れていきます。
途中で出会ったご近所の方にも、きちんと猫の特徴を説明している娘をみて「この子は本当に動物が好きなんだな」と私の妹を思い出しました。

その日はなにも反応がありませんでした。
しかし、翌日我家の裏手の道(ものすごい豪邸道)にビラを配り終わった後、本当に何人もの方から温かいテキスト、メッセーが携帯電話に入りました。
「大丈夫よ。うちもね、同じことがあったの、でもちゃんと見つかったからね。」
「○○に電話してごらんなさい。何か迷い猫の情報が得られるから。」
「ちゃんと隣町の獣医まで連絡したかしら。結構見つかるチャンスあるのよ。」
正直びっくりしてしまいました。迷い猫をさがすなんて人生初めての事。私も本当に見つかるのか、どうしていいかわからない時に、ただ携帯電話番号だけビラに書いて名前も残していない私に こんな温かい言葉をかけてくれるなんて。。

日曜日の夜。
携帯にまたメッセージが。
「子猫を見つけました、ってビラをみましたよ。XX通りの真ん中あたりの電柱です、今でもまだあるかもしれないから行ってみたらどうですか?」
お夕飯の支度なんて、そんなの後回し、大速攻で行ってみたら雨にぬれてビショビショになったビラが貼ってありました。特徴が、とてもよくうちのパンダに似ています。

「ああ~、あなたの猫だったんですね。獣医に連れて行ってもチップが入ってなくて飼い主が分からないから2日家で見てたんだけど、それ以上は無理で、XXに住んでいる友人にあげてしまったんですよ。本当にひとなつっこい可愛い猫でしたよね。」
「・・・・・」
「でも、今その人に聞いてみるからちょっと待ってて。5分してかけなおしてください。」

でもその5分後に電話をかけた時には、パンダはその家からいなくなってしまった後ということがわかり、これで私の望みは断ち切れました。

茫然としてしまった私。でもそこで一番頭に来たのは旦那に対してでした。
あれだけ、3か月で小さすぎるんだからキャットホテルに入れて面倒見てもらおう、という私と娘の意見を「ばかばかしい」と聞かず、勝手に庭の小屋に寝床を作って置いて行った、その結果でした。そして旦那の考えを反発できなかった私自身にも頭に来ました。
彼と話している間に、涙がポロポロこぼれてきて全然関係のない不満まで言い出した私。(←そう、本当に関係のないことばかり。。汗)
娘が一言ポツリ。(多分旦那にはグサリ)
「マミーは、私達がイタリアに夏休みで3週間行っている時も、会社の帰りだってどこにも行かないで急いで帰ってきて、一人でパンダの面倒を見たんだもん。ダディーだってもう少しマミーの気持ちわかってあげないと。。」
旦那の「でも、イタリアではこんな事したって、絶対に見つからないからビックリしたよ、こんなに色んな人が反応してくれて。」
という返事に 娘は目を見開いてまたドキッとする一言。
「ここはイギリスでしょ。私達はイギリスに住んでいるのよ、いやならイタリアに帰れば。」
「・・・・・」
こわいっ、いつの間にこんなにはっきり物を言うようになったんだろう。

家のどこかからパンダが出てきそうで、思い出ばかり出てきて胸がつまってばかりいた何日間後。
パンダの救い主から会社に電話がありました。
「XXの友人の所にパンダが戻ってきたって。今から迎えにいってくるよ。」
「え、本当ですかっ?ありがとうございます!でも そんな大変なので今日の夜でよければ私自分で行きますから。」
「いいよ、いいよ。今会社でしょ。娘さんのお迎えもあるだろうし。気にしない、気にしない。」

私達は、その日の夜パンダに約3週間ぶりに会うことができました。
途方にくれてしまった私を、前向きに支えてくれたKさん、ご近所の方々、そして娘。本当に感謝しています。この事をきっかけに、たくさんのご近所の方とお知り合いになれました。
この救い主さん、実は我家のはす向かいの方。お嬢さんたちがパンダを預かった2日間にすっかりペットがほしくなり、今では犬を飼っています。夕方、週末に家族で犬の散歩にいらしている時に公園でバッタリ会ったりするんですが、今でもパンダの蒸発事件の話で笑ったり。。。

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動物愛護 - これは、イギリスでとてもよく保たれている習慣だと思います。
だから日本のように野良猫、のら犬がほとんどいないと言ってもいいぐらいです。お引っ越しでどうしても連れていけないとき、たくさん子猫が産まれてしまった時、各地域には動物愛護、プロテクションの団体が必ずあり(チャリティーです)人々は、そこを訪ねます。
サッカー(イギリスではフットボールと呼ぶ)の試合で応援団が興奮しすぎて警察が出る必要がある時など、馬に乗ってきた警察には人々も暴力ができず止まってしまうとも言います。
あんなつぶらな目をしたお馬ちゃんを叩けないですよね。
私も、あれ以来「迷い猫」「迷い犬」のビラを見るたびに「無事で飼い主の所に帰れますように」と心の中で神様にお願いしています。そして必ず「きちんと」ビラを読むようにしています、私にとても貴重な情報をくれたご老夫婦のご近所さんのように。。

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パンダも今週末で1歳。
人の集まる所にいるのが大好きで、私達が楽器の練習をしている時は、必ずピアノの椅子の上に座っています。そのうち気持ち良いのかな、寝ちゃうんですけどね。
これからも元気でいてほしいな。

「迷い猫 じっと見つめる 眼の奥に 帰り待ってる 少女の顔映り」
by thallo | 2010-06-09 06:55 | England


ファインダー越しの素敵なイギリスをお届けします♪


by おごしゅ

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